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2002年8月24日

第81回毎日テニス選手権 第5日

 金曜日が丸一日雨にたたられ、土曜日は過密スケジュールとなってしまった。おまけに国体や学生リーグと重なっている選手も多く、棄権が相次いだ。JTT大会としてはいささか権威をそがれた大会になった感がある。来年は他の大会も含めスケジュールを検討する必要があるだろう。歴史ある毎トーは、やはりもう少し威厳を持った大会として存続して欲しい。

 観戦が連続していることもあり、疲れているのであまり動きたくなかった。今日は梅原幸恵のレポーターに徹した。シングルス準々決勝と、これに勝てば準決勝、さらにダブルスの準々決勝も消化しなければならない。いっぱい見られるのはいいが、はたして梅ちゃんのスタミナやいかに..

 

女子シングルス準々決勝

梅原 幸恵 6-2, 5-7, 6-2 金城 未央

 金城はかなり危険である。インターハイでは富士見ヶ丘のナンバー2として団体優勝、全日本ジュニアではベスト4、今は乗りに乗っている。勢いのあるジュニアほど恐いものはないということは梅原も良く承知しているだろう。第1セットはお互い真っ向から打ち合った。梅原の調子も悪くない。第1セットは梅原のストロークの精度が上回った。第2セットは若さにものを言わせて金城が奪取、流れはわずかながら金城に傾きかけていた。

 しかし第3セット、梅原が今までにない戦法を見せた。真っ向から打ち合わず、緩いボールを頻繁に織り交ぜてきたのだ。元気のいいジュニアは速いボールにはめっぽう強い。まともに打ち合えば、ますます調子に乗ってくる。そう判断したのだろう。この戦法が見事にはまった。第2セットを取って勢いに乗る金城は、いきなりゆったりとなったペースに幻惑されてしまう。今まで相手のスピードを利用して打ち返せていたのが自分で打ちにいかなければならなくなった。微妙にコントロールが狂い始め、打ち急いだあげくミスを重ねた。
 試合後、梅原はつぶやいた。私も少しは大人になったかなあ..

 

女子シングルス準決勝

岡本 聖子 6-3, 6-2 梅原 幸恵

 1時間ほどのレストの後、準決勝が始まった。今まで梅原は岡本には分が良い。自信は大いにあったが、一つだけ誤算があった。準々決勝をストレートで片付けられなかったことだ。少しでも体力を温存しておきたかったに違いない。一方の岡本は準々決勝をダブルベーグルというスコアで勝ち上がっていた。私の懸念をよそに、梅原は冒頭から金城戦とは比べものにならないほどの激しいストローク戦を挑んだ。岡本に対する自信から来るものでもあり、緩いボールなど通用しないことが分かっているからだろう。

 第1セット終盤、梅原に異変が襲った。以前痛めた右足付け根がピシッと数回、音を立てた。その瞬間、激痛の記憶が蘇り動けなくなってしまった。あとは怪我に怯えながら試合を終えるのを待つしかなかった。今の岡本はごまかしながら勝てるような相手ではない。

 

女子ダブルス準々決勝

苅田 真知子/橋本 知枝 6-4, 3-6, 7-6(5) 梅原 幸恵/山田 恵都子

 梅原にはまだダブルスが残っていた。無常にも梅原の右足の調子に関係なく、試合はもつれてしまった。次第に梅原の顔が苦痛にゆがんでいく。もう見ているのも辛いほどだ。試合が終わった時には、右足の感覚はなくなっていた。勝って欲しかった気持ちと、負けてほっとした気持ちが、私の中で交錯した。

 


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