2002年3月10日
第38回 島津全日本室内選手権大会 最終日
最終日の午前中は例年どおり松岡修造のテニスクリニックが行なわれた。島津製作所所属の小森ひろ子、猪野玲子、江川佑介、城間和人らの選手も協力した。このテニスクリニックは単にボランティアでやっているだけではなく、クリニックのあとはジュニアやキッズに決勝戦を観戦してもらい、テニスを見ることにも親しんでもらいたいという主催者側の意図もあった。クリニックの最後には松岡氏自身も決勝戦の面白さを熱心に説いた。
しかし、この目論見は必ずしも参加者には伝わらなかったようだ。決勝戦が始まる頃には、あれだけ大勢いたジュニアやキッズはほとんど姿を消してしまった。子供を連れてきた親御さん達はスター松岡修造を見ただけで、あるいは自分の子供が松岡修造に教えてもらっただけで満足して帰ってしまったのだろう。多分、名も知らぬ選手の試合など興味はないのだ。
試合は12時30分より、女子シングルス決勝、男子シングルス決勝の順に行なわれた。女子の優勝賞金は140万円、国際大会である男子優勝賞金3600ドルの3倍強だ。日本女子強し!<ちょっと違う
女子シングルス決勝 井上 青香 6-4, 6-3 青山 香織
SET 1 2 GAME 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 井上 1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6 青山 1 2 3 4 1 2 3
決勝戦は順当に勝ち上がった第1シードの井上青香と予想外の第4シード青山香織の対戦となった。青山は昨年の全日本選手権での怪我があとを引き、年初に予定していた国際大会をことごとくキャンセルした。当然、練習不足は否めず、決勝戦までたどり着いたことに一番驚いたのは自分自身だったろう。2回戦では現在上り調子のジュニア尾崎真衣加の挑戦をも退けた。
井上青香は不思議な選手だ。素人目に見てもとてもうまい選手には見えない。しかしいつの間にか勝ってしまう。負けた選手はきっとフラストレーションが溜まるに違いない。この日の試合もそんな感じだった。青山が強い球を打てば打つほど自分に早くボールが返ってくる。それほど勢いはないのだが左右深くにコントロールされ、いつの間にか走らされ追い込まれてしまう。
最初からブレークの多い試合だった。サービスゲームにアドバンテージを持っていない選手同士が対戦すると、こういうパターンによくなる。青山にとって惜しまれるのは第2セット第6ゲームだ。40−15からサービスゲームを落としてしまう。ここで3−3に追いついておけばまだ逆転のチャンスはあっただろう。
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おい、おい、どっちが勝ったんや
男子シングルス決勝 鈴木 貴男 6-7(4), 6-2, 6-2 マリオ・アンチッチ
SET 1 2 3 GAME 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 鈴木 1 2 3 4 5 6 (4) 1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6 アンチッチ 1 2 3 4 5 6 7 1 2 1 2
前週のベトナムのチャレンジャー決勝と同じ顔合わせになった。この時は鈴木が6−4,6−3のストレートで完勝している。観客席ではアンチッチのコーチであるボブ・ブッレト氏が見守っていた。
「あせりはなかったが、あれっ?という感じだった。」開始早々、いきなりブレークされたゲームの感想を試合後、鈴木はこう表現した。しかし第4ゲームですぐにブレークを取り返すと、このあとはレベルの高い緊迫したサービスキープが続いた。特にアンチッチのサービスは威力があり、ファーストサービスが入るとどうすることもできなかった。タイブレークは最初のポイントで得たミニブレークをアンチッチが守り抜いた。このポイント以外はすべてサービスキープだ。
試合後の鈴木の話「第1セットのようなサービスが続いたらだれも勝てやしませんよ。」アンチッチのサービスは第2セット以降、持続しなかった。ファーストサービスが入らなければ、いつ鈴木にネットを取られるか気が気でない。最初のゲームをブレークした鈴木はかさにかかって攻めた。2回連続ブレークし3−0としたところで第2セットは安全圏だ。鈴木のサービスゲームはそれほど安定している。あとはキープを続ければ良い。
最終セットも鈴木が第1ゲームをブレークに成功、次のサービスゲームも丁寧なネットプレーで圧倒した。ここでアンチッチのストレスは最高潮、ラケットをコートにたたきつけた。ほぼこれで勝負あり、アンチッチはストレスを解消できないまま、試合を続けるしかなかった。
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