ルネサンス国際女子須玉オープン 2001

梅原幸恵(シングルス準々決勝〜決勝)

2001/11/23〜25

 今年3月、京都の全日本室内で準優勝したあとの梅原の成績は惨憺たるものであった。岐阜5万ドル、予選2R。福岡5万ドル、予選1R。アメリカ遠征ではカレッジパーク2万5千ドル、予選1R。ボルチモア1万ドル、1R。エバンスビル1万ドル、ベスト8。秋の国内サーキットでは久我山1万ドル、1R。大阪1万ドル、1R。ジャパンオープン、予選1R。佐賀2万5千ドル、1R。そして昨年ベスト4に入った全日本でも1回戦負け。ランキングは見る見るうちに500位台まで下降してしまった。

 梅原のテニスは他の選手よりも精神的な要素が大きいと思う。調子が悪い時でもごまかして勝てるような体格でもないし、そんな余裕もない。自分自身の気持ちを奮い立たせ、足が動いた時に勝機が訪れる。精神的に集中できない時、足が動かない時、結果は容赦なく惨めなものとして現れる。テニスは体格でやるものではない、というのが私の持論(そう思いたい)であるが、さすがに153cmの梅原にこの理屈を当てはめるのは酷なような気がする。

 先週の榛原、今週の須玉と優勝はできなかったが、2週連続で決勝まで駒を進めることができた。復調してきたことは確かだ。表情も随分明るかったのがうれしい。準々決勝、準決勝、決勝の戦いぶりを追ってみた。

 

シングルス準々決勝 (2001.11.23)

梅原 幸恵 7-6(3), 6-3 スチャナン・ヴィラトプラセト(タイ)

SET
GAME 10111213
ヴィラトプラセト            (3)          
梅原                

 先週のゴーセンカップ決勝のリベンジマッチである。前回はストロークが安定せず、常に後手に回ってしまったが、梅原が普通の調子であれば負ける相手ではない。はたして梅原はどのような気持ちで臨んだか?聞いとけば良かった。

 最初のゲームでヴィラトプラセトのサービスをいきなりブレーク、先週とは明らかに違ってボールに伸びがある。と思ったのもつかの間、すぐ次のゲームでブレークバックされる。私の見立ては贔屓目か。オキニの選手を中立の目で見るのはなかなかむずかしい。2人とも危なっかしい内容で、取ったり取られたり。第1セットはタイブレークを梅原が何とかものにした。

 第2セット第3ゲーム、また梅原が悪い癖を出す。40−0から逆転でブレークされる。第1セット第9ゲームで0−40からブレークできず、第12ゲームは40−0からブレークできなかった。第5ゲームでまたもや40−0、どうなるかと思ったが、ここは1ポイント与えただけでキープ、これですっかり乗ってしまった。5ゲーム連取して3つ目のマッチポイントで仕留めた。

 試合後の会話..

 梅ちゃん: 40−0になったら取れる気、しませんでしたわ。
 私   : 40−0になりそうやったら、相手に1ポイントやらな。

 

シングルス準決勝 (2001.11.24)

梅原 幸恵 6-3, 4-6, 6-3 岡本 聖子

SET
GAME 10
梅原                       
岡本                              

 試合前、梅原は岡本とクレーコートでやることを嫌がっていた。岡本は手足が長い上、滑りながらのストロークがうまいからだ。梅原はどちらかというとハードコートの方が好きだ。しっかりと足を固定させて打ちたいと思っている。

 第1セットはブレーク合戦で始まった。2人ともリターンゲームの方がのびのびとプレイしている。第7ゲームで梅原はようやくキープすると、そこから一気に乗ってセットを先取。第2セットは一転してサービスキープが続く。ありがちなパターンだ。先にブレークしたのは梅原だったが、そのあと岡本が連取して第1セットとまったく逆のパターンになった。

 この2人ならフルセットになることは覚悟しなければならない。第3セットは梅原がしつこく粘り、勇気を出して攻めた。最後は岡本もマッチポイントを必死に凌いだが5回目で力尽きた。この試合は梅原も納得のいく展開だったろう。

 試合後の会話..

 梅ちゃん    : うわ〜、勝てる気、せえへんかった。
 山田のえっちゃん: 勝ちびびってやんの。

 

シングルス決勝 (2001.11.25)

キム・ジンヒー(韓国) 6-1, 4-6, 7-6(4) 梅原 幸恵

SET
GAME 10 10111213
キム                       
梅原                             (4)

 梅原はあれよ、あれよというまに2週とも決勝まで進んだ。やっと不振から脱出したようだ。しかし砂入り人工芝、クレーとタフなサーフェスが続き、小さなからだにはかなりの負担がきていてもおかしくない。出足は今までと打って変わって動きが鈍く、固い。ダブルフォルト、ストロークミス、ボレーミス、一人でミスを重ね、あっという間に5ゲームを落としてしまった。

 第2セット、梅原は腹をくくったようだ。思いっきりやるしかない。意を決したように動きが良くなり4ゲーム連取する。キムも負けていない。甘い球はベースラインから思い切り良くエースを狙ってくる。特にフォアのストレートが破壊的だ。キムが3ゲーム取り返したところで、梅原のからだが悲鳴をあげた。右足の付け根に違和感を感じ、メディカルタイムアウトをとった。治療後、何とかブレーク合戦に持ち込んでセットオールにする。

 第3セットは我慢比べになった。第1ゲームで梅原がブレークされたあと、サービスキープが続き、第8ゲームでようやくブレークバックに成功し追いつく。梅原には2週続けて負けられないという意思がはっきりと見て取れた。しかし、どちらも苦しい。とうとうタイブレークに入り試合の行方はまったくわからなくなった。

 タイブレークは4−2まで梅原がリードしたが、そこからキムが底力を発揮した。5ポイント連取してついに勝利をもぎ取った。紙一重の勝利だった。

 試合後の会話..

 梅ちゃん: また、決勝で負けてしもうた。
 私   : 2週続けて決勝まで残ったんやからええやん。