第76回 全日本テニス選手権大会

藤原里華は誰と戦っていたか?

 1年前の全日本準決勝、藤原里華は井上青香を相手にセンターコートで怯えていた。まともには打ち合わず、ゆるいボールとスライスで応戦した。打ち合いを避けた結果、自分の持ち味さえも捨ててしまった。結果は無残で何の収穫も得られないものであった。井上とは直前の上海の大会で対戦し完敗。まるで卓球の前陣速攻のような速いテンポに翻弄され、すっかり苦手意識を植え付けられてしまった。この時はまだ自分の戦うべき相手が誰か気づいていなかった。

 今年に入って藤原は急成長した。ウィンブルドンの前哨戦であるサービトンのチャレンジャー大会で浅越しのぶを始め100位以内の選手を連破し、プロ入り初優勝した。ランキングはあれよあれよという間に上昇し、グランドスラム本選ストレートイン寸前のところまで到達した。自信は確固たるものとなり、次なる飛躍に向けほとばしる闘志を燃やしていた。ただ藤原にはグランドスラムの前に全日本でやらなければならないことがあった。

 1年後の全日本準決勝、センターコートのネットを挟んで再び井上青香が立ちはだかっていた。しかし今年の藤原は違っていた。これから始まるのは井上との戦いではなく、自分自身との戦いであることを十分すぎるほど理解していた。藤原は自らの決別の儀式を淡々と進めていった。1セットオールになろうとも、もはや決して逃げることはなく、自らの力を信じて突き進んだ。試合が終わった時、そこには呪縛から解き放たれた新しい藤原がいた。

 

シングルス決勝 (2001.11.10)

藤原 里華 6-3, 6-1 竹村 りょうこ

SET
GAME
藤原       
竹村                    

 

 

シングルス準決勝 (2001.11.9)

藤原 里華 6-2, 2-6, 6-2 井上 青香

SET
GAME
井上                        
藤原                  

 

 

シングルス3回戦 (2001.11.7)

藤原 里華 6-4, 7-6(3) 伊東 千佐世

SET
GAME 10 10111213
藤原                 
伊東                     (3)