2000年 9月 30日

 トヨプリが始まった。多くの人にとっては本戦の始まる月曜日が始まりだが、私にとっては予選が始まる土曜日が本当の始まりだ。しかし、また寝坊をしてしまった。最近、目覚し時計の音が全く聞こえない。面倒くさいので豊洲の駅からタクシーを飛ばした。なんとか10時ちょっと過ぎに到着、予選の第1試合が始まったところだった。

 第1コートでは平木理化イローダ・ツルヤガノワ、第2コートでは飯島久美子ダニエラ・ベダノワ、ベダノワは昨年のスーパージュニア優勝者である。JOPの大会からWTA女子サーキットを見た時、随分ボールのスピードが上がったように思えたが、今日はさらにスピードアップしたように感じた。本戦になったら、いったいどうなるのだろう。

 とにかく今日は予選の試合と本戦出場者の練習が入り乱れて、とても落ち着いて観戦しているような気分にはなれない。一年に一回しか見られないような選手ばっかりなので、写真を撮ることに専念した。

女子ダブルス世界ナンバー1ペアの杉山愛ちゃんとジュリー・アラール・デキュジ。練習は実に楽しそう。そりゃ、あんなにうまくいきゃ、楽しいわい!<ひがみ

今年も来てくれたモーレスモ。でも、いつもいっしょだった人が見当たらない。

美しい人は見ているだけで楽しい..

はじめて見たアレクサンドラ・スティーブンソン。おや、ヒッティングパートナーを務めているのは亜細亜大の吉川真司くんではありませんか。負けんなよ!<勝負してどうする

まとめて外国選手。並べてみるだけでメチャ楽しいなあ..

2000年 9月 24日

 目が覚めたら9時だった。やばい!遅刻だ。鷹之台オープン、シングルス決勝は11時試合開始だ。あわてて身支度を整え、家を出た。幸いにもみんなオリンピックの女子マラソン中継を見ているせいか、高速道路はがらがらだ。いままでずっと遠いと思っていた鷹之台テニスクラブにはあっという間に1時間半で着いてしまった。おまけに雨が残っていたせいで試合開始が1時間遅れた。時間的には余裕だった。

 ルネッサンスの本拠地、鷹之台テニスクラブには一度、行ってみたかった。想像していたより随分立派なテニスクラブだった。ハードコートと砂入り人工芝のコート合わせて18面もある。センターコートは観戦しやすいスタンドが設けられている。周りは林に囲まれて環境もよい。ただし観戦はやぶ蚊の攻撃をもろに食らう。さされるのがいやな方は虫除けは必携だ。

 ダブルス決勝は片方のペアがなぜか棄権したため、行なわれたのはシングルス決勝1試合のみだった。最初は子供たちやクラブの人たちが大勢、観戦していてかなりにぎわっていたが、そのうち次第に人が減り、最後にはいつものように40人ほどになってしまった。指導者の方が子供たちにプロの試合を見せようと引率していたようだ。しかし見たところ指導しているのは技術的なところばかりだ。だから少し見たらすぐに引き上げてしまう。

 技術的なことも重要だが、もっと大切なのは試合の組み立て方であるとか、有利になったときの試合の進め方、不利になった時の試合の立て直し方、などの創造性ではないだろうか。技術を習得してから、あわてて創造性を養おうとしてもどだい無理だ。創造性は技術以上に日ごろの積み重ねが大切だ。テニスは技と力と創造性を駆使したゲームなのだ。指導者は1試合を通して観戦させ、プレーヤーが何を考え、何をやろうとしていたのかをディスカッションさせる、というような指導も必要だと思う。<そんなこと教えられる指導者がいないって?

 シングルス決勝は前週の柏に続き、また外国選手同士の組合せとなった。しかも2人ともオーストラリアの選手だ。国内の大会で決勝に日本選手が残れないのは本当に残念だ。ホームの有利さを生かしてどんどんポイントを稼がなければならない。ホーランドはランキング526位、グッディングは800位だ。2人のプレイを見ても、決して飛びぬけているという印象はない。日本選手はいつでも同じステージに立てると思う。来週は川口で最後のマスターズがあるが、日本選手の奮起を促したい。

レイ・ホーランド(豪)  6-3, 0-6, 7-5  ジェイ・グッディング(豪)

センターコート。ちょっと、さびしいぞう〜

グッディングは24歳。長身でサービスが速い。

ホーランドのテニスはクレバーでしたたか。これでも25歳。

だれかに似ているんだけど思い出せない、準優勝のグッディング

優勝のあと風呂につかっていい気持ちのホーランド。<うそ

2000年 9月 10日

 関彰オープンの結果が気にかかっていた。電話で聞いてみたらシングルス決勝は久松志保チャン・キュン・ミの対戦だという。志保ちゃんが決勝に残っているのではじっとしていられない。なぜなら、志保ちゃんは私のBBSに書き込みをしてくれた第1号プロ選手なのだ。応援に行かなければ礼を失する。私は女性から礼儀知らずとは思われたくない。<またかい

 尚、関彰オープンの正式な大会名は『第14回 セキショウ国際女子オープンテニス 2000』である。会場のフソウテニスクラブは常磐自動車道の水戸ICを降りてすぐのゴルフ場に囲まれた林間にある。今日は道路が空いていたので、都心を突っ切って行った。2時間半で着くことができた。
 会場に着いて驚いてしまった。なんと駐車場は満杯、試合が始まる頃には次から次へと観客が押しかけてくる。400〜500人はいただろう。弁当や飲み物も臨時で販売され、たいへんな賑わいだ。14回も回を重ねているということは、それなりに地元に密着した大会になっていることは想像に難くない。小さい子供からお年寄りまで、楽しそうに観戦していた。

 試合は2時間を越える激しいストローク戦となった。久松はチャンをよく研究していた。チャンの攻略法はただ一つ、いかにベースラインの内側でフォアハンドを打たせないかである。あまいボールは強烈なフォアハンドの餌食になる。久松は徹底してチャンのバックハンドにボールを集めた。フォアハンドは足を止めて打たせず、走らせながら打たせた。第2セットの第12ゲームでマッチポイント4つが獲れず、タイブレークに持ち込まれ、セットを失った時にはひやっとしたが、第3セットに入っても集中を切らすことなく攻め抜いた。

久松 志保(チームスカンジナビア) 7-5, 6-7(3), 6-2 チャン・キュン・ミ(韓国)

ウィナーズスピーチ

志保ちゃん、おめでとう!

チャン・キュン・ミ

チャンの最大の武器、厚いグリップからの強烈なフォアハンド。しっかり構えられるとおしまい。どっちへ飛んでくるかわからない。

表彰式

2週続けて準優勝のチャン。悔しいだろうなあ..

志保ちゃん

チャンの攻略法を研究したあとがうかがえた久松志保。フォアハンド封じに成功。

久我山とえらい違い

うわ〜、すごいお客さん!

2000年 9月 3日

 久我山オープンのシングルス決勝だけを観てきた。今日も快晴であったが風が強く、暑さはそれほどでもなかった。外国人選手だけの決勝であったが、熱心な観客が30人あまり集まった。観戦するスペースが少ないのでちょうどいいくらいかもしれない。

 試合のほうは期待以上の激しいストローク戦となった。しばらくJOPの大会を見慣れていた目には、久しぶりに見る国際大会のストロークのスピードは驚くばかりだ。この大会に出場している日本選手の中でも、このスピードについて行ける選手は何人もいないだろう。

 決勝に進出した2人の年齢をWTAの公式サイトで調べてみた。トンは19歳、チャンは18歳だ。トンは外国選手としては珍しく左右両手打ち、ひたすらハードヒットする。フォームもプレースタイルもモニカ・セレスに似ている。チャンは特にサービスとフォアハンドが素晴らしいが、今日はこの両方が裏目に出た。昨日もダブルフォルトが多かったが、今日はさらに多かった。しかも風下から打つ得意のフォアハンドは風に勢いを殺され、一発で決まらない。無風であったら、また違う展開になったかもしれない。「たら」を言っても仕方がないが..

トン・カ・ポー(香港) 7-6(3), 7-5 チャン・キュン・ミ(韓国)

トン・カ・ポー

香港のトン・カ・ポー。常に先手を取られながらも辛抱強く粘って挽回した。

チャン・キュン・ミ

韓国のチャン・キュン・ミ。あまりにダブルフォルトが多かった。

ダブルスの優勝ではありません。ダブルスの相棒、台湾のチェン選手も祝福。

チャン・キュン・ミ

試合直後の敗者にはだれも近づけない。敗者は表彰式が始まるまでの短い間に気持ちの整理をつける。

副賞のネックレスをもらって大喜びのトン選手。やっぱり女の子やねえ..

2000年 9月 2日

 USオープンがたけなわだ。華やかなグランドスラム大会の陰で、次のグランドスラム大会出場を狙う選手たちの戦いは続けられている。グランドスラムに出たければポイントを稼がなければならない。本戦ストレートインできない選手は予選から挑戦することになる。予選に出場するためには260位以内にはいなければならない。WTAポイントでいうと70ポイント強というところだ。このポイントがないと予選にも出場することはできない。

 今週からWTA女子サーキットが始まった。東京を皮切りに茨城、大阪、京都と4週間にわたって日本国内を転戦する。いわゆる1万ドルの大会と呼ばれる最も賞金の低い大会だ。WTAポイントを持っていない選手は誰であろうとこの大会を出発点にしなければならない。この大会で得られる賞金はシングルス優勝で1600ドル、日本円で17万円程度、得られるポイントはたったの5ポイントだ。ここから気の遠くなるような階段を上って行かなければならない。脱落したからといって喜ぶものはいても悲しむものなどいない、実力の世界だ。

 第1戦の久我山オープン準決勝を観てきた。シングルス、ダブルスともにすべて日本選手対外国選手の対戦となった。残念ながらすべて外国選手が勝った。オキニの梅ちゃんは単複ともベスト4に残っていたが、体調思わしくなく、見ていて痛々しかった。家に帰ってニュースを見たら今日は今年一番の暑さ、東京で37.8度だったそうだ。とてもテニスをやっていられるような気温ではなかったろう。

シングルス準決勝
チャン・キュン・ミ 6-4, 7-5 梅原 幸恵
トン・カ・ポー 6-2, 6-2 田口 景子

ダブルス準決勝
チェン・ユー・アン/トン・カ・ポー 4-6, 6-2, 6-3 梅原 幸恵/青山 香織
チャエ・キュン・イー/チャン・キュン・ミ 6-2, 5-7, 6-1 石田 恵子/永野 千絵

チャン・キュン・ミ

強烈なサービスとフォアハンドで梅原を苦しめた韓国のチャン・キュン・ミ。若そうに見えた。今度調べとこ。

トン・カ・ポー

シングルス、ダブルスとも決勝に進んだ香港のトン・カ・ポー。ダブルスでミスした時のリアクションが大げさで、観客を楽しませた。

こんなにでこぼこだったっけ..

まるで勝ったあとのような、梅ちゃん青山香織ちゃん。明るいことはいいことだ。香織ちゃんは体調のすぐれない梅ちゃんを必死でフォローした。なかなかいいコンビかも。