2000年 7月 22日

 アズメディアカップの予選を観に行った。この前、観に行ったのが6月10日の埼玉オープンなので、1ヶ月以上空いたことになる。毎年この時期は男子のサテライトが催されていたのだが、今年は日程が大幅に組替えられて、6月と7月がぽっかりと空いてしまった。テニスの試合をいつも観たいという願望もあるが、私の場合はそれよりもカメラのシャッターを切る感覚を忘れたくないということがある。カメラもテニスと同じで、しばらく撮っていないと微妙に感覚がずれてしまう。テニスのように動きが速いとなおさらだ。

 今日は女子のシングルス予選決勝と男子ダブルス予選1Rが行われた。期待もむなしく、コートは高いフェンスで囲まれていたので、シャッターを切る練習にはならなかった。

ダブルスの組合せ抽選会を真剣に見守る、村上武資/土屋大偉師弟ペア。ほんとは和気あいあい、みんな勝手知ったる相手ばかり?

桜田倶楽部の宇田怜美ちゃん。今日は快勝で余裕の予選突破。これで単複とも本戦出場。なんで怜美ちゃんの写真だけ撮ったかって?聞かない、聞かない..

2000年 7月 16日

 シドニーレポートの続き。シドニーには9日の日曜日の朝に到着した。空港を出るとさすがに冬、ひんやりとした空気が肌に冷たい。しかし、そんなに寒いという印象はない。4日間滞在したが、毎日ほとんど快晴で昼間はぽかぽかと暖かい。日本の3月くらいの気候だろうか。話を聞いてみるとシドニーには日本のような厳しい冬はないという。実際、日本では冬の間枯れてしまうインパチェンス(アフリカ鳳仙花)が花をつけていたので、霜も降りないようだ。若いおねえちゃんの中には、ヘソ出しのTシャツで歩いているものもいる一方、コートを羽織ったおばあちゃんもいる。

 宿に荷物を置いて、まずオリンピック・パークに出かけた。オリンピックは見られないので、せめて施設でも見ておこうと思った。バスはよく路線が分からないので、タクシーを使った。宿から20分ほど、20.70ドルかかった。日本円にすると、1300円くらいだ。タクシーは比較的安く、便利なのでこのあとも何回か利用した。

 私が泊まった宿はマッコリー大学に隣接したキリスト教関係の宿舎で禁酒禁煙、学生寮とビジターが泊まれる宿舎がある。オリンピック期間中はこの宿舎は学生も含め、すべて退去しなければならず、オリンピック関係機関の管理下に置かれるそうだ。しかも道路は宿舎からのシャトルバスとタクシーのみの運行に制限されるという。オリンピック期間中はシドニー市民にとっては少々我慢の期間かもしれない。タクシーの運転手も見に行くのは高いので、テレビで我慢すると言っていた。

 さて、オリンピック・パークはメイン・スタジアムをはじめ、野球場、プール、サッカースタジアム、テニスコートなどが集合した一大施設だ。一部、建築資材がまだ残っている個所もあるが、おおむね完成しているようだ。すでに世界各国からの見学者も大勢来ていた。日本からも修学旅行の高校生と思しき団体が貸し切りバスで来ていた。まさか、ここででルーズソックスを見ようとは思わなかった。異国で見る制服の集団は異様だ。

 テニス・センターはオリンピック・パークの南端にある。円形状のセンターコート、巨大な仮設スタンドが特徴のショウ・コートが2面、コートサイドに3列程度のベンチが設けられたマッチコートが7面、そのほか練習用コートも含めて全部で16面で構成されている。サーフェスはハードだ。なんとかセンターコートを見たいと思い、いかにも気の弱そうなガードマンのおにいちゃんに交渉してみた。まだ工事用の機械があって危ない、資材がたくさん置いてある、などと目を合わさずぶつぶつ言う。ひとしきり聞いてやったら入れてくれるものかと思ったら、早い話が入れることはできないということだった。なんだ、早く言わんかい!どこにも回りくどい奴はいるものだ。

すっかり準備の整ったメイン・スタジアム。各国からの観光客も大勢見学に来ていた。20ドル程度でスタジアム内を見学できるツアーもあるが、もったいないので止めた。<けち

仮設スタンドを組んだショウ・コート1。満席になった時、仮設スタンドの強度が大丈夫か心配してしまう。日曜日で人もいないのに、なぜかちゃんとネットを張っていた。

円形の立派なセンター・コート。中を見たかったなあ..

ショウ・コート1(左)とセンター・コート(右)の間にあるマッチ・コート7と8。コートサイドに3列ほどのベンチが設けられている。

2000年 7月 14日

 オーストラリアのシドニーへ行ってきた。長女が来春、語学留学する予定なので、その下見を兼ねたリサーチだ。5泊6日、内機中2泊という駆け足旅行だ。シドニーに滞在したのは正味4日間、短期間ではあったが、それなりに充実した楽しい経験になった。何回かに分けてレポートしたいと思う。

 今回はビンス・バークレー・コーチング・アカデミーのバークレー夫妻に大変お世話になった。バークレーさんとはホームページが縁でメールのやり取りを始めた、いわゆるメル友だ。お互い初対面で少々気恥ずかしかった。文通していた女の子に初めて会う時のような高揚した気分を久しぶりに味わった。何はともあれ、まずはアカデミーの紹介をしよう。

 場所はシドニーの中心部から車で20分ほどの郊外、周りは緑に包まれた緩やかな丘陵地で、シドニーの摩天楼が見渡せる素晴らしい環境だ。すぐ隣にマッコリー大学がある。ここには今まで多くの日本選手が訪れている。中瀬安朝寺地貴弘はかつての練習生だ。今年の全豪オープン女子ダブルスで優勝したレネ・スタブスもジュニア時代、ここで練習している。毎年日本の高校選抜チームの遠征も受け入れ、今年は近藤大生中村藍子飯島久美子らが訪れた。現在も日本からのテニス留学生が数人滞在中だ。

 ここでは日本のスクールのようにコーチがスケジュールを決めて、時間どおりプログラムを消化するようなことは一切やらない。練習はあくまで選手の自主性に任されている。選手自身が自分で考え、やりたいようにやる。いやでも自主性と創造性が求められる。コーチはその手助けをする。一方的に教えられることに慣れている若い日本選手にとっては最高の訓練になるだろう。私は今の日本選手に足らないものがあるとすれば、闘争心と創造性だろうと思っている。

ヘッドコーチのビンス(右)とウィンブルドンから帰って来たばっかりのミラン(左)。ミランは昨年、ルチッチのヒッティングパートナーを半年間、最近はヒンギスのヒッティングパートナーを努めた。以前、某有名外国女子選手が暴力おやじにラケットでたたかれているのを隣の部屋で聞いて、警察に通報したのが彼だとか。

あこがれの美少女練習生ダニエルにも会ったぞ〜!
知っている日本語は「カワイイ」だって。納得するっきゃないっしょ!

私のちょうどいい練習相手、10歳のトム。トムの方がちょうどいいと思ったかも。甘いボールはガンガン攻めてくる。いっちょまえにネットへも詰めてくる。そんな時には、すかさずロブだ〜!<せこ〜い
ビーナス・ウィリアムスの物まねが得意な、ひょうきん者。


 仲良しになった練習生のアネットがテニス観戦に誘ってくれた。ちょうどメトロポリタン・ハードコート・チャンピオンシップという大会が近くで開かれていた。ハードコートといいながらサーフェスは砂入り人工芝だ。オープンとスペシャルの2ランクあり、オープンは日本のJOPの大会程度のレベルだ。スペシャルはアマチュアのちょっとうまい人やローティーンのジュニアが参加している。平日は夜のみで、6時から始まる。週末は1日中行われるらしい。日本では考えられないスケジュールだ。

 試合を見たところオープンの試合は男子のレベルが高く、日本のJOP上位の選手でもなかなか厳しいだろうという感じだった。第1シードはかつてクエルテンと互角の試合をしたという選手だそうだ。今は肩を壊して、このレベルに甘んじているという。10時半ごろ引き上げたが、試合はまだ続いていた。

夜のトーナメントはさすがに寒い。コーヒーの自販機もなく、ふるえながら観戦。

観戦に誘ってくれた練習生のアネット。よく気を遣ってくれる優しい娘だ。


 アカデミーの隣にあるフットボール場に、たまたまオージーボール(オーストラリアン・フットボール)のプロチームが練習にきた。地元では名のあるスーパースターなのだろう、ヒーローたちに子供たちが群がっていた。テレビクルーまで駆けつけ、熱心に取材をしていた。まるで映画の一場面のようだ。