2000年 6月 24日 ウィンブルドンの予選が終わった。日本選手の予選の結果と本戦の1回戦のドローをまとめてみた。 女子シングルス予選
女子シングルス本選
とうとう浅越しのぶと吉田友佳が壁を突き破った。浅越は本戦初出場、吉田は昨年の全豪オープン以来だ。シングルス本戦に日本選手が2人以上出場するのは、昨年のウィンブルドン、杉山愛と佐伯美穂が出場して以来1年ぶりだ。本人はもちろんうれしいだろうが、孤軍奮闘してきた杉山にとっても随分励みになるだろう。そう思ったのも束の間、不運なことに杉山と吉田が1回戦で当たってしまう。ドローとは皮肉なものだ。 しかし今回の吉田は一味違う。予選ではリンダ・ワイルド、リサ・マシューといった曲者をフルセットの末破った。しかも両試合ともに逆転、第3セットは6-4という接戦だ。いったん落ちて這い上がってきた者は強い。杉山と吉田、精神的には互角かもしれない。試合経験の豊富な杉山のこと、全力で倒しに来ることは間違いないだろう。吉田が杉山のコースをどこまで読めて足がどれだけ動くかが勝敗の分かれ目になるような気がする。 浅越は一歩一歩着実に実績を積み上げてきた。シングルス、ダブルスともに、最近の安定感は素晴らしい。チャレンジャーの大会では常に上位に残り、先週のDFSクラシックでは昨年のウィンブルドンベスト4のスティーブンソンを破った。グランドスラム本戦出場は時間の問題であった。浅越の準?公式ホームページ、G−UPの掲示板には多くの応援メッセージが寄せられている。選手にとってはなにものにも変えがたい励ましになるに違いない。本人の書き込みも時々あり、誰でも参加できるので、皆さんもぜひメッセージをどうぞ。 |
2000年 6月 10日 埼玉オープン 最終日 亜細亜大、大活躍の日となった。なんとシングルスのタイトルを独占。男子は吉川真司、女子は田口景子だ。昨日は嵐のため試合中止、今日は準決勝と決勝がまとめて行われた。2人ともダブルスに残っていたため、シングルスのあとにダブルスの準決勝を消化しなければならない。私は途中で帰ったが、ちょうど吉川は決勝進出を決めたところ、田口は準決勝の真っ最中だった。吉川は1日4試合をこなすことになる。いやはや、大変と言うしかない。ダブルスの結果はまだわかっていないが、ひょっとしてこちらも亜細亜大が独占したのだろうか。 男子単 決勝
女子単 決勝
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2000年 6月 7日 最近、私のHPのコラムの記事が引用されることを、時々見かけるようになった。中傷されたり批判されたり、あまり誉められるようなことはない。先日も、あるメーリングリストで、私が5月28日に書いたナブラチロワ復帰に対する批判記事に対して批判された。
・ルール通りワイルドカードをもらって出場して何が悪いねん。
要約すればこんなところだ。この意見について反論も批判もするつもりはまったくない。本人がそう思ったのだから他人がとやかく言うこともなかろう。価値観の問題だ。私は十分大人なので、この程度のことで腹を立てることはない。<うそつけ
ルールの話が出てきたので、このことについて私見を述べさせてもらう。人として守らなければならないことが2つあると思う。ルール(規則)とマナー(道徳)だ。ルールは文字に書いて規定し、守らなかったものには罰則を与える。マナーは規則には書かれていないが、人として当然守らなければならない暗黙の了解事項だ。特に罰則はない。
テニスのジャッジは審判が行う。ルールから言えば、選手は審判に従い口を挟まなくてもよい。ボールがA選手側のエンドラインぎりぎりに落ちた。審判はアウトと判定した。ところがA選手にはインであるということが分かった。ルール上はこの時、A選手は「もうけ」と思っても何ら問題はない。 ある試合で同じことが起こった。その時、A選手と同じ立場にいたのはスペインのアレックス・コレチャだ。試合を左右する重要なポイントだった。この時コレチャはどうしたか。インであったことを審判に申告し、審判もこれを了承、相手にポイントを与えた。結局、この試合はコレチャが負けた。試合後、インタビューで記者から意地悪な質問を受けた。「あなたはなぜ、あんな重要な場面で自分に不利になるような申告をしたのか?」コレチャは答えた。「私はテニス選手である前に、立派な人間でありたい。」
ルールを遵守するものが尊敬されるとは限らない。しかしマナーを守るものは称賛もされるし、尊敬もされる。マナーを守るには普遍的な価値観とプライドが必要だ。 |
2000年 6月 4日 関東オープン 最終日 女子単決勝 波形 純理 6-3, 2-6, 6-4 郡司 亜希子
朝から抜けるような夏空が広がった。絶好の観戦日和だ。こう思っているのは私だけかも知れない。私は暑さは苦にならない。
あれ?もしかしたらこの試合、ノーアド?我ながら、なんて間抜けなんだろう。この時まで、気がつかなかった。
しかしよく考えてみると、そう単純ではないようだ。たとえばサーバーが40−30でマッチポイントを握った状況を考えてみよう。今までならマッチポイントは1ポイントだけだ。なんとか1ポイント逃れれば、レシーバーはほっとする。逆にサーバーは多少なりとも気落ちするだろう。ところがノーアド方式だとレシーバーがデュースに持ち込んでも、次のポイントを落としたら負けになる。つまりこの場合のマッチポイントは2つあることと変わらないのだ。 このルールは今年からITFで採用されている、セットの最初3ゲームを連続で行うというルール改正よりはテニスのゲーム性そのものを左右する、より本質的な問題だろう。サッカーやバレーボールなどの競技は、このようなルール改正をかなり大胆かつ頻繁に行っている。テニスがそれに無理にならう必要はないと思うが、これも時代の流れだろうか。しかしその前にJOPの大会はITFのルール改正を採用していない。これは、なぜだろう。国際大会と国内大会でルールが異なるので、選手はかなり戸惑うだろう。
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2000年 6月 3日 朝日生命久我山スポーツセンターで行われている関東オープンを観に行った。朝、ちょっとぐずぐずしていたのと昨晩の酒が抜けてないせいもあって、集中して観戦することができなかった。あまり詳しいことは書けない。お許しあれ。 今日は男女のダブルス準決勝4試合だけだった。隣のコートでは60歳くらいとおぼしき、高齢の方のシングルスが行われていた。関東オープンは年齢別の大会も同時開催である。会場は大変な賑わいだった。驚いたことに3セットマッチで行われている。見ていると高齢の方の試合はもつれにもつれて、第3セットタイブレークに突入した。お互いに高齢のため、決めるということはなく、延々と粘り合いが続く。いやはや見ている方がひやひやしてしまう。3セットマッチは酷ではないかと思うのは、大きなお世話だろうか。いや〜、日本のお年寄りは元気だ! 今日の写真は亜細亜大特集。左は宮崎靖雄くん。次は三好勲くん。一番右の写真は自分の試合が終わったあと、応援に来た田口景子ちゃん。3人ともダブルで決勝進出。 |