2000年 4月 25日

 海外ではフレンチオープンに向けクレーコートシーズンが本格化してきた。今週はクレーの本場スペインのシート・ゴドー・オープン予選に増田健太郎が出場したが1回戦で負けた。“ALT”と添え字がついているがどういう意味だろう。
 アメリカのサラソタ$75000の大会、藤原里華が予選に出場したが2回戦で負けた。里華ちゃんは来週、岐阜のカンガルーカップに戻ってくるはずだ。

 千葉すずがいじめられた。女子マラソンに続き勝ち敗けのはっきりする競泳という種目に、またしても判定が持ち込まれた。千葉がかわいそうだ。勝負の世界にかわいそうという言葉を持ち込むのは場違いだが、勝負に勝ったはずが予期せぬ判定負けを宣告されたのだから、やりきれないだろう。選考基準がどうみても曖昧で、しかも日本水泳連盟は選考内容についてはコメントしないと言う。考え違いも甚だしい。オリンピックには多額の税金が使われている。国民にしかるべき納得のいく説明をするのが筋だろう。

 千葉はいわゆるバーンアウトに陥り、しばらく選手生活から遠ざかっていた。アメリカで子供たちに水泳を教えながら、次第にモチベーションを取り戻し奇跡の復活を遂げた。復帰してきた千葉は自分の意志をはっきり主張する大人へと変わっていた。どうやらこれが煙たがられたようだ。ニュース23の筑紫哲也氏は「魔女狩り」と評し、朝日新聞の天声人語氏は「選考側の好み」がにじんでいると表現している。日本水泳連盟は千葉を取り返しのつかないほど傷つけてしまったことに気がついているだろうか。

 テニスの五輪代表はどうやって決まるのだろう。テニスも勝敗の明確な競技だ。みんな集めて勝ち残った者が代表というのが分かりやすいと思うが、日程の関係でそうもいかないだろう。しかしテニスにはATPあるいはWTAランキングという明確な順位を決定するシステムがある。このシステムを利用して、誰にも分かるように代表を決定して欲しい。くれぐれもわけのわからぬ判定を持ち込むのは止めて欲しい。

2000年 4月 23日

 4月14日のrealに対する私のコメントにカチンときた方がいた。某BBSで私のコメントが引用され、激しく噛みつかれた。要約すると、
 「おまえはスペシャリストの値段も分からんアホや。ボランティアという文字を出せばただでできると思うたら、大間違いやで!」
 
という内容だ。
そのまま引用するときつくなるので、やわらかく関西弁に書き直した。<どこが

 この程度の話はネットの世界では多々あるので、それほど腹を立てるようなことではないが、いくつか感じたことがある。活字で意思を伝えようとすると常に誤解を生む可能性を持っているということだ。私はプロの物書きではないので舌足らずなところがあるのは否めない。おそらく今回の件もお互い、面と向かって話しているのであれば、まったく誤解も起こらなかったと思う。会話というものは相手を思いやりながら進めることにより成り立つもので、相手がかん違いしていればすぐに気付き訂正するだろう。活字の世界では、特にネットではこの思いやりが欠落しやすい。

 残念なのは、なぜ最初にメールで私に真意を正すなり、私のBBSで発言してもらえなかったかということだ。私もサラリーマンを長くやっているので経済原理くらい理解しているつもりだ。

2000年 4月 16日

 わけあって(なんのわけ?)昭和の森テニスクラブで行われている関東大学テニスリーグをのぞいてきた。私の家からは車で40分足らずなのですぐ行くことができる。大学生の大会は初めてだ。普通のトーナメントだとボールを打つ音と拍手ぐらいしか聞こえないが、コートに近づくにつれ、盛んに応援する女子学生の声が聞こえてきた。なんか、わくわくしてきた...

 コートサイドでは応援合戦が華やかでなかなか楽しい雰囲気だ。大学生特有のしきたりもあるようで、はじめて見るものにとってはなかなか新鮮だ。しかし、さすがに高校生のようにエンドチェンジの際、コートに向かって礼をするようなことはしない。女子の大会でこれだけにぎやかなのだから、男子学生の大会はこんなもんじゃなかろうと、容易に想像ができる。男のだみ声であれだけ応援合戦をやられたらかなりうっとおしいだろう。


早稲田大学の高瀬礼美/加藤由衣ペア。筑波大学の持田志保/海野妃左子ペアに接戦で勝利。

テニス界のモッチーこと、筑波大学のエース持田志保。
う〜ん、私には理解できん

試合が終わったあとはなぜか応援団風の男子学生が仕切る。あまりにも日本的な儀式。

筑波大学の円陣
「なんとか、かんとか、オーっ!」

女子大生とはいえ最後は円陣を組んでなにやら大声で叫ぶ。回りの人には何を叫んでいるのかさっぱり分からない。まさに体育会系やね。

2000年 4月 14日

 金子英樹を中心とした日本選手たちが立ち上げたrealという団体の活動内容が次第にはっきりしてきた。手始めに4月28日に金子英樹と鈴木貴男のテニスクリニックが昭和の森テニスクラブで行われる。定員60名で参加費用は1人7000円だ。当初はもっとボランティア的なものかと思っていた。

 しかし、いつのまにかrealのホームページには料金体系なるものが掲載されていた。デ杯選手を1日派遣した場合30万円+経費と言うことである。これが高いかといわれると、決して高いものではなかろう。30万円では2人の選手とスタッフで山分けして経費を差し引けば、利益というほどのものは残らないだろう。テニス選手派遣業にしてはあまり儲かりそうにもない。選手たちが大きな赤字を出すことなく、かつ参加者に喜んでもらえれば良しというような感じだ。ボランティア精神半分というところか。

 個人ではとても払えるような額ではないが、テニスクラブやショップの催し物に利用すれば、ちょうど手頃かもしれない。いずれにしろ日本のトップ選手と一般の人たちとの接点が比較的容易に得られるようになったということは評価できる。ただしジュニアにとってはまだまだ高額なので学割料金を設定するとか、ジュニアを対象にした格安のクリニックを催してくれればもっと参加しやすくなるだろう。

2000年 4月 9日

デ杯レバノン戦、日本4勝1敗でグループT残留決定

第4試合 本村 剛一 6-1, 5-7, 6-4, 6-4 ヒチャム・ザティーニ
第5試合 石井 弥起 6-2, 6-4 アリ・ハマディー (3セットマッチに短縮)

ちょっと、危なかった〜
そういえばデ杯で勝った
ところをはじめて見た

 今日は盛り上がった。皮肉にも本村が苦戦することによって応援が盛り上がった。相手のザディーニは特に何が強いと言うところはない、並みの選手だ。普通なら本村の敵ではないだろう。第1セットをわずか16分で本村が獲った。しかもサービスが良過ぎたところにすきがあったのかも知れない。かつて、本村本人が言っていたことがある。ストローカーはサービスが良過ぎる時は気を付けなければいけない。サービスに頼りすぎてストロークが雑になる。その言葉どおり、本村はこのあとサービスとストロークに悩まされることになる。

 サービスエースと思えばダブルフォールト、ストロークエースの次はなんでもない球をネットに引っ掛ける。ひとり相撲だ。第4セット第9ゲーム、ザティーニのサービスゲーム0−40から3本のマッチポイントが獲れない。勝利の瞬間、本村の仕草がすべてを象徴していた。ガッツポーズをすることもなく、ほっとした表情を見せた。デ杯で自分が勝利を決めたのは始めてだ。無形のプレッシャーがあったのだろうか。

 終わってみれば4勝1敗だ。しかし、私の気持ちの中にはわだかまりが残った。なぜなら、この相手にはもっと圧勝しなければならない。次に日本と対戦しても、とても勝ち目はないという印象を、相手に植え付けなければならない試合だったと思う。たんなるグループT残留をかけた試合ではないのだ。特にダブルスはいただけない。韓国戦に続き、格下の相手に連敗した。ただ単にダブルスの名人2人を組み合わせても勝てるとは限らない。団体戦でのダブルスは水物だ。

んなことくらい、わかってるわい!

大学の正門に並んでいるアジ看板みたいな垂れ幕まで登場。
持ってけ、ドロボー

試合後、汗でぐしょぐしょのシャツまで観客席に投げ込んだザティーニ。ゲットしたのは日本の応援団団長。このあとどうしたかは未確認。
すやすや

親の心、子知らず。本村選手の愛息、豪基くんは夢の中。

トミー&弥起

なんでこんなところに電気屋さんが? 神和住監督の代役を務めたトミーでした。
次はたたんでやっからな(ハマディー)

健闘をたたえあい、最後は記念撮影。プレイ中は金髪の赤鬼みたいなハマディーも笑うと怖くない。<あたりまえ

2000年 4月 7日

デ杯レバノン戦、日本が2勝で王手

第1試合 石井 弥起 6-4, 6-3, 6-3 ヒチャム・ザティーニ
第2試合 本村 剛一 6-3, 6-3, 6-1 アリ・ハマディー

 おお、2試合ともフルセット..じゃなくって、デ杯なので5セットマッチ、ストレートの完勝だ。今日は観に行く予定ではなかったが、ちょいと気になったので仕事を早めに切り上げて、横浜国際プールへ出かけた。着いたら第2試合が始まるところだった。ずいぶんと進行が早い。本村はハマディーをまったく寄せ付けず、格の違いをまざまざと見せつけた。一度もサービスを落とすことなく圧勝した。観客も安心し切っているようで、かえって応援に力が入らないありさまだった。ハマディーはサービスは速いのだが、ストロークで先にミスをおかした。これでは、勝てない。

剛ちゃんづくし

(1)勝利の舞を踊る剛一くん。
(2)試合が終わって握手する剛一くんとハマディー。
(3)貴男くんとハイタッチ。うしろは寺ちんと古川隼人くん。
(4)試合後の談話。「今日はスライダーの切れがよかったです。」<うそ


横浜国際プール名物、カーペットコートの修繕。

修繕中、選手はどうやってヒマをつぶすか。

2000年 4月 2日

石和オープン、寺地貴弘が2冠!

シングルス決勝 寺地 貴弘 7-6(8), 6-4 増田 健太郎
ダブルス 決勝 鈴木 貴男/寺地 貴弘 6-4, 6-3 佐藤 博康/原田 夏希

 風も止み暖かく、薄日のさす絶好のコンディションとなった。寺地貴弘増田健太郎に対する2週間前の勝利がフロックではなかったかどうか確かめたかった。しかし結果は杞憂に終わった。寺地は増田の執拗な振り回しにも粘り強く返球し、最後には増田のミスを誘った。心配されたスタミナも以前に比べてかなりついてきた。息が切れるほど走らされてもエンドチェンジの休憩で回復していた。なんといってもクレーコートで増田に勝ったことは大きな自信になるだろう。第1シードとはいえ国内フューチャーズ3連戦で2勝は立派な成績だ。さあ、これからは海外で結果を残さねば。


寺ちん百面相

 昨日見そびれた鈴木貴男のダブルスをじっくり観た。まだミスも多く本調子ではないが、そつなく優勝するところはさすがだ。鈴木目当ての観客もずいぶん多かったようだ。来週のデ杯にはまだ出られない。と言うよりも、かなりランキングを下げてしまったのでチャレンジャーの予選レベルから出直しだ。実力的にはまったく問題ないので、早く試合勘を取り戻しカンバックしてくれることを期待したい。


余裕の優勝、鈴木貴男/寺地貴弘ペア。

初めて組んで準優勝はまずまず、佐藤博康/原田夏希ペア。

国際大会への本格復帰が待ち遠しい鈴木貴男。動きに不安なし。

2000年 4月 1日

石和オープン、シングルス・ダブルスとも日本選手が全て勝利!

 エイプリルフールではない。<おい!
 シングルス準決勝、期せずして2試合とも日本対ドイツの戦いとなった。第1試合は寺地貴弘vsトーマス・ジヴィニチェック、舌を噛みそうな名前だ。6-4, 3-6, 6-2 で寺地が勝った。寺地はドロップボレーが好きだ。失敗すると成功するまでしつこくやる。今日はこれがなかなか決まらず、やればやるほど切り返された。途中からさすがにあきらめて、やらなくなってからペースをつかんだ。第3セットの終盤では、ヒンギスばりのアンダーサーブまで飛び出した。いろいろ面白いことをやる。


この写真ではそれほどでもないが、かなり爆発したパーマをかけた寺地貴弘。

映画俳優にしてもいいようないい男、トーマス・ジヴィニチェック。

 第2試合は増田健太郎vsセバスチャン・フィッツ。増田が 6-4, 3-6, 6-2 でかろうじて振り切った。第3セット、1-4 の崖っぷちからの逆転だ。この試合はジャッジでもめた。クレーコートの性質上、選手はボールマークのチェックを要求できる。チェアアンパイアは大忙しだ。試合終了直前、フィッツのボールが増田のクレームでアウトに判定されていた。試合が終わって引き上げる時、あきらめきれずフィッツが自分でボールマークをチェックした。引き上げようとする増田にフィッツが大声で噛み付いた。「おまえはアウトでないってわかってただろ。マークを見てみろよ!」増田はまったく取り合わなかった。試合後も戦いは続く。


土の上では本領発揮、増田健太郎。

2mはあろうかという大男、セバスチャン・フィッツ。

 ということで明日の決勝戦は寺地vs増田の対戦となった。寺地は2週前の熊本のフューチャーズで苦手としていた増田にやっと勝った。今回は増田が庭のように思っているクレーでの対戦だ。楽しみだ。
 ダブルスには怪我から復帰した鈴木貴男が寺地と組んで出場した。増田の試合の第3セット途中から試合が始まり増田の試合が終わる前に、相手を片付けてしまった。完勝だ。明日は、佐藤博康原田夏希との決勝戦、じっくり観よう。