2000年 3月 31日

 ATPのチャレンジャーやフューチャーズの結果を毎日のように更新してくれているスティーブさんのサイトが3月23日以来更新されていない。どうしたのだろう。いつもあてにしているだけに心配だ。本村剛一が出場していた先週のニュージランドのチャレンジャーも準々決勝以降の結果がわからない。仕方がないのでATP公式サイトで調べてみたら、なんと準優勝していた。優勝はマイケル・ジョイスだ。スコアは 4-6, 6-4, 6-4 とかなりの接戦だったことが予想される。

 エリクソンオープンが大詰めに入った。女子シングルス決勝は、またしてもヒンギスダベンポートの対戦だ。2人とも絶好調、ほかの選手に比べ完全に抜きん出ている。マルチナはこのところリンジーにまったく歯が立たず5連敗中だ。負けず嫌いのマルチナにとっては面白くないこと、この上ないだろう。今回は期するものがあるに違いない。その証拠に準決勝でモニカ・セレスをベーグル、ベーグル(6-0,6-0)というとんでもないスコアで血祭りに上げてしまった。この調子でそろそろリンジーに一矢報いて欲しい。そうでないと癇癪を起こして、また口を滑らしてしまうかも知れない。マスコミの格好の餌食になってしまうだけだ。一方のリンジーはテスチュを相手に 6-1, 6-7(4), 7-6(5) で辛勝した。

 ウィリアムス姉妹が苦しんでいる。姉のビーナスは両手首の回復が思わしくなく、復帰の目処すらたっていない。妹のセリーナはモチベーションを失いかけているようだ。しかしこの姉妹の親父さんは冷静だ。ビーナスには引退も仕方なし、セリーナにはしばらく休養することも一つの選択だと説いている。テニス界には自分自身が燃え上がり過ぎて、娘たちを焼き尽くすアホな親父が多い中、なかなかえらいものだ。私が才能あふれる娘を持っていたら、どうなっていただろう。ほどほどの才能を持った娘であったことに感謝しよう。鳶は鷹を生まず。

2000年 3月 27日

 アメリカから藤原里華ちゃんと久松志保ちゃんがBBSに投稿してくれた。今週はジョージア州のNorcrossというところで25000ドルの大会が行われている。ほかの日本選手は浅越しのぶ小畑沙織井上青香井上摩衣子が参加している。予選のカットオフが273位と厳しく、里華ちゃんと志保ちゃんは予選にすら出場できなかった。最新の情報では、予選1回戦で小畑沙織が負けた。

 オーストラリアの女子サーキット、今週は最終週のマスターズだ。先週のLeg3で森上亜希子が再び優勝した。Leg1に続いてだ。Leg2では2回戦で負けたが、Leg3では負けた相手に準決勝できっちりお返しした。負けた相手にすぐさま、お返しをするというのが勝負の鉄則だ。これを戦争でやったら、際限がなくなり悲惨なことになってしまう。スポーツの世界だけにして欲しい。

 元々スポーツとは、戦争の代わりに人を傷つけ合うことなく勝敗を決する手段として発展してきた、人間の知恵だ。ナショナリズムというものもここから芽生えてきた。だから、今でもデ杯やサッカーのワールドカップというのは、どこの国でも異様に盛り上がる。ところがデ杯などは日本ではいまいち盛り上がりに欠ける。日本のスポーツは欧米のスポーツとは違い、明治以降輸入されたものだ。しかも日本のスポーツの多くは、サムライなきあとの武道の代わりとしてすりかえられ、変質してしまった。学校教育では、スポーツは決して楽しむものではなく、修練と修行の場だ。今では少しは改善されたと思うが、いまだに引きずっている人たちが多いのも事実だ。

2000年 3月 26日

 今日は千葉オープン決勝、白子オープン決勝、石和オープン予選の3つの選択肢があったが、結局一番手近な石和オープン予選にした。石和オープンは、今ではめっきり珍しくなったクレーコートの大会だ。甲府盆地はまだ寒く、風が冷たい。

 白子オープンの予選に出場していた福田勝志、石井弘樹、高田充といった上位選手が石和の予選には出場していない。少しレベルが下がっているが、外国から参加している選手のレベルは高い。顔見知りのNTT東京の高橋優選手が出場していたので観戦した。高橋さんは日本リーグNTT東京チームのメンバーで、今年初めて国際大会に挑戦している。白子オープンでは予選1回戦で不運にも福田勝志と当たり負けた。石和ではプレ予選を勝ち上がってきた。今日はフルセットに持ち込まれたが、冷静に試合を運んで見事1回戦を突破した。


荒削りだが、しっかりしたストロークが印象的だった台湾の若い選手。

プレ予選突破のご褒美、ITFの記念キャップとウェアをもらってご満悦のNTT東京、高橋選手。

村上武資プロがコーチングしている土屋太偉。パワーストローカーだ。

2000年 3月 25日

 たまにはテニス以外の話をしよう。島津全日本室内テニスを観に行った時、観戦の合間に京都壬生の界隈を散策した。かねてから一度行ってみたかった新撰組発祥の地だ。何を隠そう、私は新撰組のファンだ。車通りを避け、路地を選んで歩いてみた。私の幼い頃の遊び場も下町の路地裏だったので、路地を歩いていると懐かしい気分になってしまう。

(1)こういう標示を見ると京都やなあという感じがする。
(2)路地の辻にあるお地蔵さんの祠。京都にはこういう祠が散在している。地元の人がきれいに整備している。
(3)壬生寺の境内には壬生塚という新撰組隊士の墓がある。一番奥には近藤勇の胸像があり、その下にはノートが置いてある。若い人の書込みが多い。やはり沖田総司と土方歳三のファンが圧倒的だ。
(4)胸像の隣にはたくさんの絵馬が掛けてある。「るろうに剣心」という新撰組のマンガがはやったせいか、ここにも若い人の絵馬が多い。きっかけはどうあれ歴史に興味を示すということはいいことだ。
(5)壬生寺の隣にある新撰組屯所跡の玄関。当時のままのたたずまいで保存されている。新撰組ファンにとっては感慨深い場所だ。内部は撮影禁止。

2000年 3月 22日

 ニュージーランドのチャレンジャーにはデ杯前の本村剛一石井弥起が参戦中。本村が第1シード、石井が第7シードだ。本村はチャレンジャー大会だと常に上位シードが付くまでになった。今が踏ん張りどころだ。

 オーストラリアの女子サーキットは後半のLeg3に入った。引き続き森上亜希子大竹山理映手塚玲美堀田朋愛金城理美が本選出場、予選では為石景子が1回戦を勝ったが、波多野有香は負けている。

 アメリカのストーン・マウンテンというところで開催中の女子の25000ドル大会はレベルが高く、本選ストレートインは井上青香ひとり、あとは予選から挑戦だ。アメリカ遠征初戦の藤原里華は予選1回戦、フルセットで惜しくも負けた。中国から移動してきた久松志保も2回戦敗退だ。

 高校時代活躍した若い選手が苦戦中だ。成長というのは一様に進まない。成長していることが自覚できるくらいの上昇期と、成長が止まったような感覚になる停滞期を繰り返す。停滞期にさしかかると、進歩しなくなったと思い不安に陥る。成長が急激であった者ほどそういう感覚に陥りやすい。ひょっとして下降しているのではないかとさえ考えてしまう。通常こういう現象をスランプというが、実際は錯覚であることが多い。たいていの場合、停滞期というのは蓄積期間であり、次の上り坂を登りきるための準備期間にほかならない。決して下降しているわけではなく、多かれ少なかれ誰の身にも訪れる自然現象だ。スランプに陥ったからといって落ち込むことはない。今まさに上り坂のふもとに到達したのかも知れないのだ。このメカニズムさえ良く理解していれば、何も恐れることはない。

2000年 3月 21日

 白子のフューチャーズが始まった。残念ながら、我らが福田勝志選手は予選決勝で敗れた。前週の熊本のフューチャーズでは幸先よく寺地貴弘が優勝した。今週も期待しよう。

 日本男子は女子に比べて不甲斐ない。マスコミを含め一般のテニスファンも、そう考えている人が多いに違いない。果たしてほんとにそうだろうか。ランキングを見ると杉山愛のWTA20位(2000年3月6日付)が確かにずば抜けている。それでは、杉山も含めた上位5人で比較してみよう。女子は浅越しのぶ110位、吉田友佳116位、宮城ナナ149位、井上青香227位。男子は本村剛一134位、石井弥起213位、寺地貴弘252位、岩渕聡261位、金子英樹345位。順位を合計してみると女子622ポイント、男子1205ポイントとなり、まだまだ女性優位だ。しかし、順位だけで単純に比較していいのだろうか。賢明な方は私が何を言わんとしているか分かるだろう。男子と女子とではまるで選手層の厚さが違う。まったく個人的な感覚だが、少なくとも倍は違う。この点を考慮し女子のポイントを2倍させていただくと、女子1244ポイントとなり、わずかながら男子が上回る。

 伊達全盛の1995年11月27日付けのランキングで比較してみよう。女子は伊達公子4位、沢松奈生子17位、神尾米28位、長塚京子39位、杉山愛46位、合計してもわずか134ポイント。このとき男子は松岡修造が57位であったが、あとは並べるまでもない。3倍しようが4倍しようが男子は到底かなわない。確かにこの時期は女子がはるかに上回っていたことがわかる。皆がバブルに浮かれていたのも無理はない。

 決して女子に喧嘩を売っているわけではない。私は未来永劫、女性の味方だ。ただこのままでは日本男子があまりにかわいそうだ。少しは男性を弁護したい。じわじわではあるがここまで這い上がってきたのだ。それからいまだにバブルから目をさまそうとしないマスコミや過去の栄光にしがみつく一部のテニス関係者に警告したい。とっくの昔にバブルははじけたのだ。男子がどうの女子がどうのと言っている場合ではない。

2000年 3月 18日

 いや〜、まいった、まいった!春季ロイヤルSCオープン(女子)に行って来た。行きに3時間半、帰りに4時間半、観戦したのは準決勝1試合の1時間だけ。3連休の初日に都心を車でうろうろする奴があほや、と言われたら返す言葉もない。高速の上も下の道も、どこにこんなに車があったのかというくらいぎっしり、ほんまにあほでした。

 今日は雨で遅れた関係でシングルス準々決勝4試合と準決勝2試合が行われた。今日の結果を書いておく。

シングルス準決勝
 小森 ひろ子(4) 6-4, 6-1 鳥羽 英子(10)
 石田 恵子(3) 6-3, 6-1 永野 千絵(16)

シングルス準々決勝
 鳥羽 英子(10) 6-3, 6-1 和田 奈々(1)
 小森 ひろ子(4) 3-6, 6-0, 6-0 大見 映理(5)
 石田 恵子(3) 6-1, 6-2 西川 裕子(11)
 永野 千絵(16) 4-6, 6-4, 6-3 谷井 舞(7)

 主催のロイヤルSCテニスクラブは感じのよいテニスクラブだ。電話で問い合わせても親切に応対してくれる。経営者の方は結構年配の方だが、自らパソコンを操りドロー表を作っている。しかも知らぬ間に素晴らしいホームページができている。クラブの壁に昨年観戦した、私のホームページの秋季ロイヤルSCオープンの観戦記がカラープリンタで印刷して張ってあったのでびっくりした。そんなことなら、もっとまじめに書いたのに。

石田恵子(左)と永野千絵(右)
今日はこの試合しか観られなかった。トホホ...

2000年 3月 17日

 京都へ行った時、松岡修造が現役時代に、優勝したケビン・ユリエットとよくツアーを回っていたと言っていた。ATP公式サイトで調べてみると、ユリエットは1972年生まれの27歳だ。松岡との対戦は2回記録されている。

 1995/4 名古屋(準決勝) 松岡修造 7-6, 7-5 ケビン・ユリエット
 1996/4 ソウル(2回戦) 松岡修造 6-7(1), 6-3, 6-2 ケビン・ユリエット

 さらにデータを詳細に見ていくと面白い。名古屋ではワイルドカードで鈴木貴男、本村剛一、岩渕聡、宮地弘太郎が出場している。本村は一回戦で松岡と対戦し6−4、6−2で敗れている。ソウルの大会はもっとすごい。ヘンマン、ルゼドスキー、ヨハンソン、ノーマン、そうそうたるメンバーだ。ユリエットはブラック兄弟についでジンバブエのbRだ。今年のデ杯アメリカ戦ではウェイン・ブラックと組みダブルスに出場、なんとリック・リーチ/アレックス・オブライエンという強豪ペアから勝ち星を挙げている。ATP公式サイトのデータ検索は暇つぶしにはもってこいだ。

 熊本のフューチャーズはベスト4に日本選手が3人も残った。岩見亮増田健太郎寺地貴弘だ。注目はもちろん、寺地貴弘が天敵増田健太郎にどう戦いを挑むか。

2000年 3月 16日

 先週の中国の女子チャレンジャーの結果が判明した。

シングルス本選 1回戦
 Stanislava Hrozenska(SVK) d. 久松志保 6-7(4),6-2,6-3
 井上青香(8) d. Ding Ding(CHN) 3-6,6-1,6-4
 Greta Arn(GER) d. 井上摩衣子(q) 6-1,6-1
 小畑沙織 d. Sybille Bammer(AUT) 6-1,6-0
シングルス本選 2回戦
 井上青香(JPN)(8) d. Aurandrea Narvaez(USA) 6-1,6-4
 Shi-Ting Wang(TPE)(5) d. 小畑沙織 6-2,6-1
シングルス本選 準々決勝
 Jing-Qian Yi(CHN)(1) d. 井上青香(8) 2-6,7-6(0),6-2

シングルス予選 1回戦
 竹村りょうこ(14) d. WC-Ming Yu Niu(CHN) 6-2,6-2
 西俣泰子(16) d. Wei Huang(CHN) 6-3,6-2
シングルス予選 2回戦
 井上摩衣子(6) d. Qi Tuo(CHN) 6-4,5-7,6-1
 竹村りょうこ(14) d. Yao Zhang(CHN) 2-6,6-3,7-6(1)
 Yin Chen(CHN) d. 西俣泰子(16) 7-5,6-4
シングルス予選 3回戦
 井上摩衣子(6) d. Tiffany Dabek(USA)(9) 6-4,6-3
 Susanne Trik(NED)(4) d. 竹村りょうこ(14) 6-2,6-1
シングルス予選決勝
 井上摩衣子 d. Orawan Wongkamalas(THA)(11) 6-1,3-6,6-3

ダブルス本選 1回戦
 久松志保/M. Jeon(KOR) d. E. Ablovatchi(MDA)/M. Summerside(AUS) 6-2,7-6(8)
 T. Perebiynis(UKR)/I. Tulyaganova(UZB) d. 井上青香/井上摩衣子(4)
 5-7,6-4,6-3
 Y. Basting(NED)/K. De Weille(NED) d. E. Kim(KOR)/小畑沙織(3) 6-0,7-6(6)
 K. Chae(KOR)/竹村りょうこ d. S. Park(KOR)/S. Wang(TPE)(2) 4-6,6-4,7-6(2)
ダブルス本選 準々決勝
 久松志保/M. Jeon(KOR) d. V. Csurgo(HUN)/K. Tong(HKG) 6-3,6-7(1),6-2
 K. Chae(KOR)/竹村りょうこ d. V. Henke(GER)/B. Sangaram(THA) 7-6(2),2-6,6-1
ダブルス本選 準決勝
 G. Arn(GER)/J. Pullin(GBR) d. 久松志保/M. Jeon(KOR) w/o
 K. Chae(KOR)/竹村りょうこ d. N. Li(CHN)/T. Li(CHN) 6-3,0-6,7-6(6)
ダブルス本選 決勝
 G. Arn(GER)/J. Pullin(GBR) d. K. Chae(KOR)/竹村りょうこ 7-5,6-4

 オーストラリアの女子サーキットはLeg2に入った。Leg1では森上亜希子がきっちりと第1シードを守って優勝した。Leg2でも第1シードだ。2回戦に進んだのは森上亜希子大竹山理映堀田朋愛手塚玲美、進めなかったのは金城理美為石景子。どうせなら森上あっこちゃんにはこのまま突っ走って欲しい。一昨年、日本のサーキットで大活躍したオーストラリアのアリシア・モリックのように。

 男子は3週に渡って国内でフューチャーズが行われる。今週は熊本、来週は白子、再来週は石和だ。やっと関東に戻って来る。ドローと結果はルネサンスのサイトで詳しくフォローされている。

2000年 3月 13日

 昨日書けなかった島津全日本室内の感想を書く。会場は京都市体育館、かなり古い(はっきり言ってぼろい)建物だ。観客席は狭くて固い板のベンチだ。長く座っているとケツが痛くなる。しかし傾斜が急なので、前の人の頭が邪魔にならずコートが良く見通せる。コートは3面張ってあるが、こちらもかなり狭い。ボールが大きく弾んだらすぐに後の壁に当たってしまいそうだ。会場内の看板や飾り付けはいかにも手作りという感じで安っぽい。しかも入場料は当日2000円だ。

 決してけなしているのではない。むしろ、リーゾナブルだと思っている。男女共催の大会で、しかも男子はATPの国際大会である。この規模の大会に2000円を払って観ることは高いとは思わない。映画を1本見ると思えば安いものだ。トーナメントを開催するには非常にお金がかかることは容易に想像できる。今のご時世、なかなか気前の良いスポンサーも見つからないだろう。重要なのは少ない費用でも毎年継続して開催できることだ。これは結構難しい。だから会場を見ただけで主催者側の情熱と努力のあとが良く分かる。

 チャレンジャーの大会というと昨年から始まった横浜チャレンジャーと比較したくなるだろう。横浜国際プールという素晴らしく近代的な会場、しかも入場料は無料である。しかし単純には比較できない。横浜国際プールというのは公共施設だ。公共施設は通常、入場料を徴収すると利用料金が桁外れに高額になる。京都市体育館も公共施設だが、横浜国際プールほど立派な施設ではないので利用料金もエコノミーだと思われる。つまり横浜チャレンジャーは利用料金を埋め合わせるだけの入場料収入が見込めないのだ。入場料を徴収すれば差し引き、損をしてしまう。

 主催者によって事情はいろいろだ。知恵を絞って毎年開催してくれる主催者には頭が下がる。島津全日本室内の場合、まさかこの程度のテニストーナメントの経費をケチってピンはねしているようなことは、いくらなんでもないと思う。全日本室内は以前東京で開催されていた。どういう事情で京都に移ったか知らないが、今回認識を新たにした。このまま京都で根付いて欲しいと思った。

 よく考えたら、昨日の写真には優勝者の写真が1枚もなかった。申し訳ない。まとめて並べてみた。左から男子シングルス優勝のK.ユリエット、男子ダブルス優勝のM.フロメックT.スピンクス、女子シングルス優勝の佐々野良子、女子ダブルス優勝の石田恵子永富恵子。国際大会とはいえ、チャレンジャーの賞金はこんなものだ。女子の賞金はJOPの大会としては高額の部類に入る。驚いた人もいるだろう。

2000年 3月 12日


樟蔭東高等学校1年生の
中村藍子ちゃん

 今、京都で書いている...という出だしで始めようと目論んでいたのだが、見事に失敗してしまった。結局、自宅で書いている。私のノートパソコンはゼロ発信の相性が良くないようだ。島津全日本室内テニス選手権、土・日の2日間を観てきた。

 今回のベストマッチはなんといっても、高校生同士の新井由樹中村藍子の準決勝だ。1-6, 6-4, 7-6(6) でかろうじて新井が勝ったが、中村は観客に強烈な印象を残した。中村藍子は前から気になっていた。可愛いから、と言うのは冗談...じゃなくって、ほんとだ。時々トーナメントの会場で見かけていたのだが、中村藍子ちゃんとは知らなかった。子供っぽい、可愛い子だなあと思っていた。童顔なので、中学生に見える。
 話がそれた。藍子ちゃんはベースラインからあまり下がらず、高い打点からフラットドライブでがんがん打つ。フォア、バックとも両手打ち、テンポが速くまことに小気味よい攻撃的ストロークだ。チャンスがあれば、ネットにもすばやく詰める。今、世界ではこういうスタイルが主流だが、日本国内では少ないように思える。誰がこんなテニススタイルを教えたのだろう。まだ、からだも技術も発展途上なだけに将来が楽しみだ。


佐々野良子のサーブ力と深いストロークに完敗の梅原幸恵。今回は梅ちゃんの表彰式は見られず。

準優勝者も必ず写真に撮るカメラマンの松ちゃん。

負けても笑顔でサイン。板についてきたかな?新井由樹ちゃん。

おやっ、藤原里華ちゃん。来週からアメリカ遠征に出かけるそうだ。

福田勝志くんはエキジビジョンのミックスダブルスでお手伝い。緊張しました、だって。

2000年 3月 9日

 オーストラリアの Warrnambool(どこ?)で行われている女子サテライトの第1戦に多くの日本選手が出場している。1回戦を勝ち上がったのは第1シードの森上亜希子大竹山理映の2人。2人はそのまま2回戦も突破。金城理美為石景子堀田朋愛手塚玲美は1回戦負けだ。森上あっこちゃんはランキングからいって、こんなところでうろうろしていてはいけないと思うのだが。

1999/11/28 甲府オープン
めげるな、玲美ちゃん

 もう一人心配な選手がいる。手塚玲美ちゃんだ。詳しく記録を調べたわけではないが、高校卒業以来あまり良い結果が出せていないような気がする。精力的に海外を回っているだけに、あせらず一歩ずつ進んで欲しい。
 手塚玲美ちゃんにはダブルスの基本を教えてもらった。教えてもらったといっても、直接教えてもらったわけではない。昨年の甲府オープンを観に行った時のことだ。ダブルス決勝は藤村女子高校の先輩、後輩ペアの手塚玲美/新井由樹組と亜細亜大コンビの岡本聖子/田口景子組の対戦。この日は新井の調子が悪く、肝心なところでミスを連発、先輩の手塚が落ち込む新井を必死に引っ張っていた。思うように行かない試合運びに、顔には出さないが手塚自身もかなりいら立っていたと思う。
 それでもゲームはもつれてフルセットに。試合も終盤、絶好のチャンスボールが前衛の新井の前に上がった。これを新井が信じられないようなボレーミス、ネットにかけてしまった。この時、間髪をおかず手塚は「ドンマイ、ドンマイ!」と声をかけながら、新井に歩み寄った。結局、手塚/新井組は負けてしまった。試合後、自分のふがいなさに泣きじゃくる新井に、手塚は「じゃあ、またね」と明るく声をかけて帰って行った。

 手塚はミスした新井に声をかけた時、相手をなぐさめていただけではない。自分の心をコントロールしていたのだ。テニス誌や教則本には書き尽くされている話だ。しかし、いくらマニュアルを読んでも学べないことは多い。今まで私はダブルスで負けた時、みんな相手のせいだと思っていた。たいていの人はそうだと思う。<ちが〜う

 人はいろんなことを教えてくれる。年齢も性別も関係ない。

2000年 3月 8日

 島津全日本室内は第2ラウンドに突入した。男子1回戦はもったいないことに日本選手同士の対戦が2試合あった。茶圓鉄也石井弥起金子英樹本村剛一というカードだ。今回は2試合ともアップセットとなった。石井も本村も今回は体調が悪かったようだが、そんなことは言い訳にしかならないことは本人が一番分かっているだろう。

 プロならば故障の1つや2つを抱えているのは当たり前だ。プロというのは私たち常人にはとても考えられないような運動能力を持っている。人はそれに敬意を払い、お金も払う。プロにとってのスポーツは、およそ健康を維持するものとはほど遠い。勝つためには自身の身を削り、ぎりぎりまで酷使する。かつてマラソンのオリンピック代表中山竹通選手がインタビューにこともなげに答えていた。「プロなら血のしょんべんを流している奴なんか、いっぱいいますよ。」プロとはかくも不健康なものだ。

 そういえばプロのサラリーマンも似たようなものだ。部下からは突き上げられ、上司からは頭を抑えられる。おまけに客からは飛び蹴りを食らう。ある意味ではプロのテニス選手よりもつらいかもしれない。世の若者たちよ、お父さんは日々戦っているのだ。お父さんを大切にしよう。

2000年 3月 7日

 ステートファーム女子クラシックは思わぬ大雨で中止になってしまった。ヒンギスダベンポートもやっていれば絶対自分が勝っていたと思っているに違いない。強くなるには、これくらいの自身過剰がちょうどいい。
 変わって今週の女子は2週にわたって行われるビッグトーナメント、エバートカップである。ところがここの公式サイトは、凝った作りになっていて異様に重い。なぜこんなに鉛のようなページにするのか理解に苦しむ。見に行く人は気合を入れるべし。

 BBSに書き込んでくれた久松志保ちゃんが出場した先週のチャレンジャーの結果がわかった。開催地は中国の Chengdu City となっているがどこだろう。漢字でないとよく分からない。残念ながら志保ちゃんはシングルス、ダブルスとも1回戦負けだ。シングルスは台湾のベテラン選手と対戦、完敗している。王選手を攻略するポイントはただひとつ、十分な態勢でフォアハンドを打たせないことだ。テークバックが特徴的なフォアハンドは今だに脅威だ。どこからでもエースを獲ることができる。バックハンドを打たせているうちは怖くない。

シングルス本選1回戦
 井上青香 d. Sybille Bammer(AUT) 7-6(6),7-5
 Julie Pullin(GBR)(4) d. 小畑沙織 6-4,6-3
 Shi-Ting Wang(TPE)(5) d. 久松志保 6-3,6-2
シングルス本選2回戦
 Jing-Qian Yi(CHN)(1) d. 井上青香 6-1,6-3

シングルス予選1回戦
 Jing-Jing Liu(CHN) d. 青山香織 6-0,5-7,7-5
 西俣泰子 d. Juan-Juan Cheng(CHN) 6-4,6-4
シングルス予選2回戦
 Jing-Jing Liu(CHN) d. 永富恵子(1) 7-6(5),6-1
 占部奈美(13) d. Li Chen(CHN) 6-3,6-2
 西俣泰子 d. Benjamas Sangaram(THA)(5) 6-2,7-5
 井上摩衣子(6) d. Yan Chen(CHN) 5-7,7-6(5),6-2
シングルス予選3回戦
 Susanne Trik(NED)(7) d. 占部奈美(13) 6-0,7-6(5)
 井上摩衣子(6) d. Ka-Po Tong(HKG)(9) 6-3,6-7(1),6-3
シングルス予選決勝
 Stanislava Hrozenska(SVK)(2) d. 井上摩衣子(6) 6-4,7-5

ダブルス本選1回戦
 井上青香/井上摩衣子(4) d. 小畑沙織/占部奈美 6-3,7-6(3)
 Na Li(CHN)/Ting Li(CHN) d. 久松志保/永富恵子 7-5,6-2
ダブルス本選準々決勝
 井上青香/井上摩衣子(4) d. V. Henke(GER)/T. Perebiynis(UKR) 6-3,6-4
ダブルス本選準決勝
 J. Cortez(BRA)/K. Marosi(HUN)(1) d. 井上青香/井上摩衣子(4) 4-6,6-1,6-4

 今週から始まったオーストラリアのサテライトにも日本選手がいた。藤井由起波多野有香が共に予選1回戦で負けている。波多野有香選手の名前は始めて聞いた。JTAのサイトでJOPのランキングを調べてみたら、アマチュアでまだ415位だ。どんな選手だろう。

2000年 3月 6日

 ステートファーム女子クラシックの決勝は予想通りヒンギスダベンポートの対戦となった。しかし、雨で試合が延びている。マルチナにはそろそろ勝って欲しいが、簡単には勝たしてもらえないだろう。2人にはまだダブルスの準決勝が残っている。どちらかひとりは1日で、シングルス1試合とダブルス2試合を消化しなければならない。大変だ。

 リンジーは本当に強くなった。フットワークの悪さを突かれて、伊達に振り回されていたのは昔の話だ。確かにダイエットに励みフットワークも強化したと思う。しかし、今でもリンジーの弱点は相変わらずフットワークだ。左右に振られると、ドタドタという印象はぬぐえない。それでは、どうやって弱点を克服したか。ランニングショットの切れ味を磨いたのだ。左右に走らせようと角度を付けると、とんでもない鋭いショットで切り返される。弱点の克服の仕方は人それぞれだ。

 島津全日本室内テニス選手権大会が始まった。どうやら公式サイトは結果を掲載するつもりはないらしい。BBSには関西テニス協会が載せるかもしれないと書いたが、間違いだったようだ。島津のリンク先になっているのは島津の公式サイトで、そのURLが単に間違っているだけだ。思い返してみると、昨年も試合結果の掲載はなかった。

2000年 3月 4日

 スコッツデール準々決勝の杉山愛クルニコワに 6-4, 6-2 でストレート負け。そういえば愛ちゃんとアンナの対戦というのは、あまりなかったような気がする。決勝はまたもやマルチナリンジーの可能性が高くなった。私はマルチナ対アンナでもよいが。

 インドのチャレンジャー、ダブルスの岩渕聡は決勝まで進んだが、結果は不明。

 岩渕聡はダブルス優勝、スコアは不明。(3/5 0:35 確認)

2000年 3月 3日

 インドネシアF2の情報が入ってきた。シングルス予選、佐藤博康は1回戦、田口亮太は2回戦、加藤季温は決勝で敗退。權伍喜はシングルス本戦1回戦を突破。

 ネットで京都市内のホテルの予約状況を調べていたら、来週末は意外にも混雑していることがわかった。春休みの影響があるのかもしれない。しかも第2土曜日で、学校が休みだ。あわてて適当なところを探し予約した。これで、島津全日本室内を観に行くことが決定した。こういう時ネットはほんとに便利だ。特に宿泊に関する情報は豊富だ。今回予約したホテルは一泊5400円(安い!)、部屋からダイヤルアップできるところを選んだ。

 「今日はよく飛んでますね。」というのが挨拶になる季節になった。私の住まいは丹沢山系のすぐ東側なので花粉に直撃される。今週になってにわかに目が痒く、鼻水が止まらなくなった。私が発症したのは6年くらい前だ。発症する前は「花粉症にかかる奴は、不摂生をしているからだ。」と言ってたが、発症してからは「花粉症にならない奴は、現代人やない。」と言っている。人間なんて所詮勝手なものだ。
 私の場合、年々症状が軽くなっている。聞いたところによると、免疫が備わっていってるのではなく、年をとっていくに従いからだの反応が鈍くなって、症状が軽くなったように感じるのだと言う。大きなお世話だ。
 症状がひどい時はマスクをしてテニスをしている。はたから見ると、かなり怪しい。花粉症の選手はこの季節、屋外の試合はかなりつらいだろう。

2000年 3月 2日

 アリゾナ、スコッツデールの杉山愛、2回戦でダブルスパートナーのジュリー・アラール・デキュジを 6-4,6-2 で退け快調に準々決勝へ。愛ちゃん、ジュリー・アラールには分がいいようだ。昨年のトヨタ・プリンセンスカップでも勝っている。メアリー・ピアースに続き、お得意さんにできればしめたものだ。

 シンガポールのチャレンジャー、石井弥起は1回戦で破れたことが判明。本村剛一は2回戦も 6-4,6-3 で快勝、期待が膨らむ。
 一方インドのチャレンジャー、岩渕聡は2回戦で負けた。なかなか次へ勝ち進むことができない。ダブルス、寺地貴弘は1回戦負け、岩渕は勝って準々決勝へ。

 金子英樹公式サイトができた。感心なことに金子くん本人が制作している。悪戦苦闘ぶりが目に浮かぶようで、想像するだけで楽しい。パソコンはテレビのCMでは、いかにも簡単そうに喧伝されているが、今のパソコンはまだ一般の人には難しい。コンピュータを生業にしている私でさえそう感じる。難しいと言っているのは使い方のことではない。使い方なんて習うより慣れろだ。難しいのは何か問題が起こった時の解決法だ。一般の人は普通、手も足も出ない。カスタマサービスが助けてくれることなんて、宝くじに当たる確率より低い。ともあれ何事にも挑戦するのはいいことだ。

 このサイトの中に「real」という団体のページが間借りしている。プロとアマチュアの交流をもっと密にし、テニスの普及に努めようというのが主旨だ。日本の主なトッププロがずらりと名を連らねている。ファンにとってはこんなうれしいことはない。私も何かできることがあれば力になりたいと思う。
 個人プレーが基本のテニス選手が大勢集まって、何かやろうというところが興味深い。デ杯程度の人数なら大したことはないが、これだけ集まると大変だ。利害関係のないところでわいわいやっている内はいいが、利害が絡んだとたん、組織というものはギクシャクするものだ。組織で行動することに慣れていない若い人たちが多いだけに、まとめるのが大変だと思う。ぜひ乗り越えていって欲しい。

2000年 3月 1日

 今週の結果がぼちぼちアップされてきた。シンガポールのチャレンジャー1回戦、第3シードの本村剛一は 3-6,6-4,6-4 の接戦を制し、逆転で1回戦を突破。石井弥起の結果はまだ不明。金子英樹は予選決勝でウドムチョクに破れた模様。
 インドのチャレンジャー1回戦、寺地貴弘は 6-2,6-1 で完敗、苦戦中だ。岩渕聡はシングルス、ダブルスともに1回戦突破、寺地のダブルスはまだ結果なし。増田健太郎は先週に続き予選2回戦で敗退、こちらも厳しい。この大会、第1シードはインドの英雄レアンダー・パエス

 今年からATPのランキングシステムが変わった。チャンピオンズレースと銘打って、年初から積み上げる方式だ。考案した関係者はわかりやすくなったとずいぶん悦に入っているようだ。ところがはっきり言ってとても紛らわしい、いや煩わしい。シードを決めるのは相変わらず従来と同じシステムで、エントリーシステムと称されている。エントリーシステムは公式サイトのチャンピオンズレースのページの下のほうにひっそりとリンクされている。
 今まで日本選手の最新ランキングを検索して、これから先のトーナメントに本戦から入れるのか、予選から挑戦しなければならないのか占っていた。ところがエントリーシステムは国別で検索することが出来ない。使いづらいことこの上ない。せめて、どちらも同等に扱って欲しい。システムというのは頭で考えて完璧だと思ったものが、いざ実際に運用してみるとうまくいかないことがよくある。うまくいかなかった時、柔軟に対処することが必要だ。このシステムは長続きしないと思う。