2002年1月19日
全豪オープン 第5日
真夏のメルボルンから赤道直下のシンガポールを経て、真冬の東京へ舞い戻ってきた。今はWOWOWの中継を見ながらレポートを書いている。つい昨日まであの場所にいたと思うと何か不思議な感覚に襲われる。ナショナルテニスセンターからタクシーを拾って、東京の自宅のドアを開けるまで23時間かかった。いったいこれは遠いのか近いのか、よくわからなくなっている。
昼過ぎには帰国しなければならなかった昨日は、幸いにも11時から始まる第1試合に浅越しのぶ/藤原里華vsジャネット・リー/ウィーネ・プラクシャの2回戦が組まれた。この試合を見ないで帰国するようなことになったら随分悔いが残っただろう。リー/プラクシャは第16シード、このペアの強さは岐阜のカンガルーカップなどで見たことがあるので、よく承知している。特にプラクシャの可愛い顔からは想像もできない老獪なテクニックは要注意だ。ハードヒット、絶妙のロブ、そんなところを狙うか?というようなアングルショット、油断も隙もない。正直なところ、日本ペアの勝ち目は30%くらいと感じていた。
第1セット、日本ペアはこのプラクシャのテクニックに翻弄された。第2セットも引き続き苦しい展開であったが、少し風が強くなりプラクシャのロブが不安定になったのと、次第にコースが読めるようになっていた。しかしマッチポイントを2つ取られた時には、さすがに万事休すかと観念した。ここを浅越の思い切ったポーチとプラクシャの信じられないミスで命拾いし、デュースになってからのもう一つのマッチポイントをも切り抜けた。タイブレークは常に日本ペアが先行し、このあたりからはっきりと風向きが変わっていくのを感じた。
第3セットは完全に日本ペアが乗ってしまった。6−2で一気にかたをつけ、私たち日本応援団は狂喜乱舞した。しのりんのコーチの谷川美雄さんや里華ちゃんのヒッティングパートナーの小林真吾さんたちとも固く握手を交わし、喜びを分かち合った。私は充実した気持ちで会場をあとにし、帰国の途についた。
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